2022年02月15日

今は亡き両親へ その4

「親父、飲もうよ。」

もちろんお酒なんてもっての他です。それでも、形だけでも交わしたかった。

僕だけ、まるですがるように飲んでしまいました。

「本当は親父に自分の店と孫の顔を見せたかった。」

「孫か、、、そうだな、見たかったな。」

そう言われて涙が止まらなかったことを覚えています。

どちらもすぐに叶うものではありません。不可能だからこそ、涙が出ました。

父と本音で話せたことに、涙が出ました。
posted by 東白庵かりべ at 00:24| Comment(0) | 日記

2022年02月14日

今は亡き両親へ その3

いろんな昔話をしました。

旅行が好きで、外食が好きで、タバコが好きで、運転が好きで、、、小さい頃からよくついて歩きました。僕が料理の道に進んだのも、外食が好きな父の影響かもしれません。

「懐かしいな」

と、父は目を細めます。

あまり話す方ではないかもしれません。母には迷惑をかけました。

でも、そんな父を尊敬していました。やはり親父はすごいなと。

そして3日目の夕食です。
僕は次の日の朝一番の電車で帰ります。まさに最後の晩餐です。

次に来れるのは正月休みですまだ3ヶ月もあります。

「医者の余命宣告なんて、外れるさ!」

なんて強がりながらも、痩せ細った父を目の当たりにして、心のどこかで認めてしまっている自分がいました。
posted by 東白庵かりべ at 19:05| Comment(0) | 日記

2022年02月12日

今は亡き両親へ その2

父は「病院は退屈だ」と、治療よりも自由を選択していました。

今の世の中、自分の布団で最期を迎える人は少ないそうです。ある意味幸せかもしれません。

すでに外出は出来ず、食も細くなっていました。

いつもは僕が「腕によりをかけて」得意気に食事をを作ります。実家に帰れるのは半年に一度です。毎回「腕を上げたな!」と喜んでくれました。しかし、もうそれも敵いません。大好きなタバコもさすがにやめていました。

近所のない、静かな実家です。それでも海と山、自然に囲まれた、父の大好きな環境でした。

海が見え、トンビが鳴き、潮風は強く窓を叩きます。

伊豆に引っ越す前、僕が学生時代を過ごした千葉の家もこんな感じでした。

あぁ、親父はこれが好きなんだな。と、しみじみ思いました。
posted by 東白庵かりべ at 18:10| Comment(0) | 日記